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2008年10月13日 (月)

フランク・ゼーン

 フランク・ゼーンはボディビルコンテストの最高峰である「ミスターオリンピア」で、1977年から1979年まで3連覇した有名なボディビルダーである。ちなみに、歴代でもっとも有名で人気のあるビルダーはアーノルド・シュワルツェネッガーである。彼は1970年から1975年にかけて同大会で6連覇している。

 さて、フランク・ゼーンを取り上げる理由であるが、それは彼の作り上げた肉体の「美しさ」にある。「美しさ」であって「逞しさ」ではない。もちろん、ビルダーだから普通の人に比べて著しく筋肉が多いことは言うまでもない。これはビルダーのなかでの比較の問題である。

 ボディビルのコンテストにおける選手の評価は非常に難しい。記録を競う競技ではないので、審査員の主観的評価にならざるをえない。オリンピアの歴史を見ると、圧倒的に筋肉の量が評価されている。もちろん、量だけではなく、カットの深さ(凸凹感)やバランスも併せて見ているが、第一義的には量だと思う。セルジオ・オリバー、シュワルツェネッガー、ドリアン・イエーツ、ロニー・コールマン、ジェイ・カトラーと、時代を経るに従い巨大化している。これは、練習方法や器具の進歩、サプリメントの進歩、ステロイドなどの薬物の使用が背景にある。これはでかい方が良いという評価基準がもたらした変化ではないかと考えられる。

 そういう風潮の中で、フランク・ゼーンが現れた一時期だけは、「美しい」ものを選ぼうとする意思が働いたのではないだろうか。それも、彼の肉体のバランスの良さとそれを際立たせるポージングの巧みさがあっての話だろうが、私にはそう思える。何か社会的な背景がありはしないか。これは想像の域を出ないが、何かしら感じるところがある。それは、今年のオリンピアをデクスター・ジャクソンが制したというニュースを聞いたことにもよる。一旦勝ち始めると連覇が続くという流れからいえば、ジェイ・カトラーの時代といえるが、それをひっくり返したのはなぜだろうか。サブプライム問題と金融危機で成長神話が崩れ、大きいことよりもバランスが重視され始めたのではないだろうか。フランク・ゼーンの連覇はジミー・カーターの時代だった。今、大統領選ではオバマが有利に戦いを進めている。

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