« 古本 | トップページ | 1968年の流行歌 その二 »

2008年9月21日 (日)

1968年の流行歌 その一

 1968年は私が10歳の時。この時期は歌番組が多く、私が歌好きだったこともあり、よく記憶に残っている。

①「恋の季節」(ピンキーとキラーズ) よく売れた。子供を含め若い世代に人気があった。ピンキーこと今陽子の歌唱にはパンチがあって若い魅力があったが、私はいまだに上手いとは思わない。彼らをメインにしたドラマ仕立ての番組も作られ、結構見ていたのであるが、面白かったという印象はない。とにかくピンキーだけが前に出て、キラーズは目立たなかった。

②「天使の誘惑」(黛ジュン) 作曲家三木たかしの妹である。歌は上手かった。この曲のほか「夕月」も大ヒットした。ミニスカートを売りにしたが、あまり美人ではないので歌以外にアピールするものがなかったのだろう。その後、ヒットがなくなりテレビの世界からは消えていったが、その後もジャズを中心に歌の活動を続けていたように思う。大橋巨泉のラジオ番組に出て、日本は本当に歌の上手い人が売れない世界なので残念だねえ、と言って慰められていた。

③「好きになった人」(都はるみ) 市川昭介と組んで数々のヒットを世に出し、一時代を築いた。しばらくヒット曲が途絶えたが、「北の宿から」で復活した。普通のおばさんに戻りたいと言って芸能界から引退したが、歌を捨てきれずに復帰したようだ。(このあたりの事情は詳しく知らない。)彼女は京都生まれであるが、父親は朝鮮の出身者で、そのこともあってか中上健次と仲良くしていた。新宮にも何度か足を運び、死期を間近にした中上を見舞っていたらしい。

④「愛の園」(布施明) 「霧の摩周湖」でデビューして以来、その歌唱力を武器にして安定して活躍している。これも数あるヒット曲のひとつである。ちなみに「霧の摩周湖」は平尾昌晃の最も初期の作品だったと記憶していて、若いことからいい曲を書いていたのである。布施の一番のヒットと言えば「シクラメンのかほり」だろう。今なお親しまれている名曲である。布施は、オリビア・ハッセーと結婚し男の子を一人もうけている。どういう縁か知らないが、ずいぶん羨ましがられた。その後離婚している。

⑤「小さなスナック」(パープル・シャドウズ) 強い印象はない。地味なグループの地味な歌である。ある意味、この時代だからこそ受けた歌であり、その前でもその後でも支持されなかったのではないか。

⑥「花の首飾り」(ザ・タイガース) グループサウンズ全盛の時代にあって最も人気のあったグループである。この曲はメインのボーカルが加橋かつみで、かれの高音がよく映えた歌だった。とはいえ、人気者は沢田研二で、タイガースファンの大半が彼のファンではなかったか。沢田はソロになってからも大ヒットを連発した。グループサウンズ出身者は、音楽の世界に残り、活躍した人が少なくないが、シンガーとして華々しく活躍したのは沢田ぐらいではないか。ショーケンは早々と俳優の道に入った。

⑦「長い髪の少女」(ザ・ゴールデンカップス) グループサウンズのなかでは最も好きな曲の一つである。あの低い、湿った旋律がたまらなくよい。詩のなかみは、大した意味もないように思うのだが。

⑧「亜麻色の髪の乙女」(ザ・ヴィレッジシンガーズ) ご存じ、島谷ひとみがリバイバルヒットさせた曲である。ゆったりした平和なメロディーである。こういう歌もあっていいのだと思う。

⑨「年上の女」(森進一) 独特の声で人気を博した森進一。鹿児島の出身で、ハングリー精神があり、彼の稼ぎで実家の生活を支え、弟を医学部に通わせ医者にした話は有名である。猪俣公章の弟子になって才能を開花させ、「花と蝶」「女のため息」など続々とヒットさせた。五木ひろしと比べられることが多かったが、彼には淡谷のり子という応援団がいた。大原麗子と結婚して、世の男性に嫉妬されたが間もなく離婚。続いて森昌子といっしょになったが、これも離婚。「おふくろさん」の歌詞を勝手にアレンジしたことで川内康範を激怒させ、歌うことを禁止された。晩年は上手くいかなかった。

⑩「伊勢佐木町ブルース」(青江三奈) 独特のハスキーボイスだった。歌は上手かったと思う。ヒット曲が途絶えてからもしばらくは紅白の常連だったから歌を聞く機会はあった。知名度はあるし、歌も聞けるし、特定のファンもありそうだから、地方公演やキャバレー回りで稼げたのではないかと推測するが、事実はどうか知らない。

⑪「今は幸せかい」(佐川満男) ヒット曲はこれだけのようだ。歌はうまいとは思わなかった。同じ年にヒット曲「恋のしずく」を出した伊東ゆかりと結婚したが、これも離婚。数年前にテレビで、二人で歌っているのを見た。

⑫「グッド・ナイト・ベイビー」(ザ・キングトーンズ) 独特の歌声と雰囲気を持つグループである。その後テレビにはあまり出なくなったが、なつかしのメロディーなどで往年と変わらぬ声を聞かせてくれたので,地道に活動していたと見える。

⑬「ゆうべの秘密」(小川知子) この曲は特別特徴はなく、歌手にも特徴はなかったから、歌謡曲の歴史においては特別の意味はなさそうだ。しばらくしてテレビの世界から消えていったが、非常にきれいな人だった。その後「幸福の科学」に入ったと聞いた。時期は忘れたが、谷村新司とデュエットして話題になった。今どうなっているかは知らない。

« 古本 | トップページ | 1968年の流行歌 その二 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/246642/23910119

この記事へのトラックバック一覧です: 1968年の流行歌 その一:

« 古本 | トップページ | 1968年の流行歌 その二 »