« 環境問題、エネルギー問題、食糧問題 | トップページ | ホームレス中学生 »

2008年7月 6日 (日)

弱者に厳しい

 今朝のテレビで、財政破綻した夕張市のその後の様子が報じられていた。3百億円を超える借金のうち、前年度に11億円返済したそうである。とった策は、職員の半減、市民病院の診療所への縮小、事業の中止などである。その多くは住民へのサービスの低下や負担増につながっており、借金のつけは住民へという図式が当たり前のように受取れた。地元の産業は疲弊しており、働き手は転出していき、残るのは高齢者である。高齢者にとっては厳しい実態がある。これは夕張だけの問題ではない。一部の例外を除いて大半の自治体は大赤字なのである。夕張のようになりたくなかったら早めに住民に負担をもとめて手を打ちなさいというメッセージである。

 これは国のミニチュア版である。国の財政危機もはなはだしい。それは事実。そして同じく解決策は国民の負担を大きくして、これ以上の借金は抑えようというのである。前にも書いたが、なぜ借金が増えたのか、だれに責任があるのかという点はなかなか表に出ない。とにかく大変だという宣伝がなされるだけなのだ。いまある国家、いまある体制が大事なのであって、それを守らなければ未来はないという主張である。しかし、いまある体制がなくなって一番こまるのは官僚ではないか。彼らの活動するフィールドを失いたくないのである。

 杜甫の有名な詩の一節に「国破れて山河あり」というのがある。これに代えて国破れて生活あり、と歌いたい。戦後、市街地を破壊され、交通網が寸断されたなかでも復興を遂げてきた。今、国家が破たんしても、社会資本がそのまま残れば、新しい仕組みは作ることができる。生活者の営みは変わらず、続けられるのである。

 国の施策は弱者に厳しい。かつて、知人のAさんが難病にかかり、付き添って市役所に相談に行ったことがある。事前に申し込んであったので、医師も同席し、簡単に問診もしたが、結局は病院にいって診断してもらったらよいという結論しか出なかった。それを受けて今度は病院に行ったが、治療はできても生活のことは役所へ行ってもらうしかないという。いわゆるタライ回しというやつである。近所の馴染みの医者にも聞いてみたが、生活保護の書類は書いてあげることはできるが、少しでも財産や預金があると保護は難しいねよ言うことであった。Aさんにできることは、貯えを切り崩しながら、投薬とリハビリを続けることである。しかしいずれ蓄えは切れる。そうなったとき、だれが面倒をみるというのだろうか。

« 環境問題、エネルギー問題、食糧問題 | トップページ | ホームレス中学生 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/246642/22108704

この記事へのトラックバック一覧です: 弱者に厳しい:

« 環境問題、エネルギー問題、食糧問題 | トップページ | ホームレス中学生 »