« 丹羽宇一郎氏の本から | トップページ | 組織の問題 »

2008年6月28日 (土)

未来像

 世界はどのように変わっていくか。国家は次第にその機能を弱め、やがて消滅していく。NGO、NPOの役割が大きくなり、企業はなお存続していくがその社会的役割を増していく。国家の福祉的機能は、徐々にあとの組織や機関が受け皿になって引き継がれていくだろう。ただしその移行はスムーズなものではなく、一時的には混乱を生じるだろう。それを緩和するためには、弱まっていく国の機能のなかでも福祉的機能だけは相対的に残していかなければならない。(だから政権がどのような性格をもっているかは重要な関心事である。)

 次に、経済は、投機的な資金の移動すなわちマネーゲームが一層顕著になるだろう。事業を起こすために投資して、事業から得られる利益によって配当を得る。これが真っ当な投資であるが、これには時間がかかるし、簡単に利益が得られるわけではない。したがって、少しでも儲かるネタがあると資金が世界中を駆け巡るわけである。それができるように様々な規制も取り払われてきたのである。結果、金融商品や商品の先物取引にお金が流れ込み、価格の上昇を引き起こす。原油の高騰がその最たるものである。この動きによって、いつか分からないがハイパーインフレが発生し、紙幣は紙くず同然になるのではないか。そうしたら経済は混乱する。生活や生産に必要なものを手に入れるため、元々交換の手段として存在する貨幣は必要である。今更物々交換では経済は成り立たない。従来の概念とは違う、交換の手段が生まれなければならないが、それはどんなものか分からない。地域で、その地域だけに通用する疑似通貨が発行されているが、それもヒントになるかもしれない。たとえばボランティアで3時間奉仕すればチケットを受け取り、そのチケットで3時間分の奉仕を受け取ることができる。この前提はAさんの1時間の労働とBさんの1時間の労働は等価であるということだ。広げて考えると、日本人の1時間の労働とケニア人の1時間の労働は等価ということになる。現在の常識では考えられない。生産性の違いから、日本人の1時間が生み出す価値の方がはるかに大きく、「労働力」の価値すなわち賃金は高いのである。新しい社会では、それが変わる。平準化していく。等質化していく。いやいや、それはおかしい。人によって能力は違い、生み出す付加価値の大きさが違う。先進国と途上国では生産力が違いすぎる。こういう問題に今答えることはできない。最後にひとつ、アメリカは最大の軍事国であり、ドルは基軸通貨であるが、やがてアメリカ国家も消滅しドルも消滅する。

« 丹羽宇一郎氏の本から | トップページ | 組織の問題 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/246642/21945880

この記事へのトラックバック一覧です: 未来像:

« 丹羽宇一郎氏の本から | トップページ | 組織の問題 »