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2008年3月 2日 (日)

人間の土台

 ピラミッドのように土台が広く、しっかりしていると、その上に高く積み上げても崩れることがない。逆に、底辺が狭いとちょっとした力で倒壊してしまう。

 建築物にたとえたが、言いたいのは人間の大きさを決めるものは何かということである。一言でいえば、一定の下積み期間が必要だということだ。現場での試行錯誤の経験、失敗からの学習があってこそ状況への対応力が育つ。どんなことが起こっても慌てずどっしり構えることができるのはこの経験の賜物なのだ。たたぎ上げの経営者に安定感や人間の大きさを感じるのは、そういう背景があるだろう。留学して、MBAを取得して、外資のコンサルタント会社や証券会社を経て新興企業や再生企業のトップを任される人が少なからずいるが、論理的思考や米国流の経営手法、方法論だけでは企業の運営はうまくいかないだろう。組織のメンバーを統率するには、皆が納得して後をついていけるだけの人間の魅力が欠かせない。それは自分たちよりも苦労してきたという実績であろう。それが伝説としていくつも積み重なるとカリスマ性を生むことになるのである。

 経営者に話がいってしまったが、一般の社員の実力についても同じことが言える。頭がよくて論理的思考に優れていることは大変結構なことで、そういう人材は欲しいところだが、それだけで仕事ができると考えるのは早計である。いろいろな現象、問題が発生する現場でそれを解決するには経験に基づいた判断力が必要だし、人の協力を得ることも必要なのである。そういう技量は頭の良さとは直接関係ないのである。

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