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2008年1月 6日 (日)

復興期の精神

 昨晩、NHKラジオで1953年収録の「三つの歌」の聞いた。宮田輝アナウンサー司会で、一般の聴取者がピアノの生伴奏に合わせて歌を3曲歌うという内容である。宮田のアドリブでの進行の軽妙さは感心するばかりだが、それ以上に印象的なのはスタジオに来ている人達の笑い声である。腹の底から声が出ている感じがして、素朴さと力強さを感じる。年代は出演者の年齢から想像すると40代、50代が中心ではないかと思われるが、屈託のない笑いに戦後の復興期の未来に向けて開かれたエネルギーを感じて、現在と比較してしまったのだ。

 今でも公開番組はある。ラジオで聞くのは専らNHKだから、たとえば「真打ち競演」がある。これは寄席演芸を地方の市民会館などで収録するもので、ここでも屈託ない大きな笑い声が聞けるのであるが、なにせ来ているのは大半が老人である。もはや仕事は卒業した人たちであり、比較するには対象が違うかなと思う。少し付け加えると、都市部での収録はやや笑いの質が違うように感じる。

 ところでテレビに目を転じると、たとえば「新婚さんいらっしゃい」は観客はおそらく中年の男女が多いと思われるが、笑いの質で言えば、昔に比べておとなしいし、浅い感じを受ける。また一斉に、一気に笑うのではなく、バラバラな印象を受ける。

 「エンタの神様」は若者向けの演芸番組で、今は概して若者向けの番組が多い。人口が少ないのに番組は多い。それだけテレビを見るということか。笑いはやはり浅い。そういう芸がメディアに氾濫して飽きてしまっているのかもしれない。あるいは、笑う力に欠けているのかもしれない。喜怒哀楽の感情を豊かに持つことは、人間力の大きな要素であろう。心貧しき人間には感情表現が乏しい。1953年の「笑い」に復興期の精神を感じる。

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